19世紀のヨーロッパを魅了した、「Hirado(平戸焼)」の手技がいま蘇る

平戸焼からみかわち焼へ


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百年前のデザインと技を学ぶ

19世紀半ば、ヨーロッパの人達の心を揺さぶるデザインと技が、長崎県佐世保市で作られていました。 現在の「みかわち焼」、当時は「平戸焼」と呼ばれて輸出された焼き物です。

この焼物は、平戸藩の厚い保護を受け、江戸時代のさまざまな経済の荒波に巻き込まれることなく、 技術の粋を極めた「細工もの」や茶道具などをつくり続けることができました。幕末(1800年代半ば)からは、 食器や繊細な造形が輸出され、20世紀半ばまでヨーロッパで高い評価を得るに至ります。

大量生産や廉価な商品が普及する高度成長期以降、一つひとつ手でつくり出すみかわち焼は、 「時代遅れ」の烙印を押されましたが、21世紀の現在、手仕事や素材感が再評価されています。 それを受け、みかわち焼では新たなプロジェクトが始動しました。

素朴な「素材感」と、高度な「技術」の再現への挑戦です。

江戸時代と同じ原料を採取し、さまざまな試験をくり返しながら、 みかわち焼を特徴づけてきた三つの技法、「置き上げ」「貼り付け」「染付」の研究と再現。 それら3つの技法に加え、「薄胎」「透かし彫り」など代表的なものをふまえた上で、 現代に即したやきもの・NEO-MIKAWACHI(ネオミカワチ)の誕生を目指しています。


陽山:コーヒーカップ
1946~1947年頃

染付龍刻唐獅子牡丹花瓶
江戸時代末期

白磁龍乗置上げ観音像花瓶
昭和時代初期

染付五人唐子水差
江戸時代初期

写真撮影:大川裕弘